地味子の秘密*番外編*
鈴宮っていうのは、うちの学園の数学教師。

俺達2年の担当。


頭はいいらしいんだが、性格に少々問題が。


「篠田くん、出来ないのかい? これはこれは、放課後にお仕置きが必要だなぁ」


チョークを持って、固まってる樹里。

黒板に書かれているのは、T大の入試問題。


アイツは、樹里の体を頭からつま先までニヤニヤとした目で見てる。

問題っていうのは、女子生徒たちへのセクハラまがいな行為のこと。

こうやって、生徒に問題を解かせてイジメ、出来ないヤツにはお仕置きと称してセクハラをする。

校長も辞めさせたいそうだが、鈴宮の親父がなんか偉いヤツらしく。

簡単には解雇できずに、注意も出来ないらしい。


今まで樹里もターゲットにされていたが、成績優秀な樹里はいつも出された問題を軽々とクリアしていた。

だが。

今回は相当難しい。


「高2の俺達に、大学の入試問題なんてムリに決まってるだろ」


柏木の言葉に周りの男達が、うんうんと頷く。

樹里は、困ったように眉を下げていた。

鈴宮は、今日は樹里で遊べると思ってるのかニヤニヤが止まらない。


……ムカつく。

俺の大事なモンに、手ー出すんじゃねーよ。

妖怪だって、人間だって許さねぇ。


ーーガタンッ……

イスから立ち上がり、机と机の間を進んで前に出る。


「神崎くん! な、何してるんだ!」


俺の登場に驚いたのか、キッと睨んできた。


お前の思い通りにはさせない。








< 51 / 381 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop