地味子の秘密*番外編*
「幼なじみとしてじゃなく、ひとりの男として……樹里が好きだ」
「わ、渉……冗談はやめて……」
「冗談でこんなこと言うかよ」
流れでコクったけど、内心……今かなり恥ずかしい。
「……だって……河西さんは? 付き合ってないの?」
「樹里が好きなのに、河西と付き合えるかよ。それに、彼女は妹みたいにしか思えない」
男三兄弟で育って来たから、河西はカワイイ妹にしか見えない。
樹里以外……“女”と思えなくなってるんだよ。
「本当に……河西さんのこと好きじゃないの?」
「あぁ」
欲しいのは、お前だけだよ。
よし。
俺の言いたいことは、伝えた。
あとは……コイツの気持ちを聞くだけだ。
「お前にとって、俺ってただの幼なじみか?」
そう問い掛けた。