地味子の秘密*番外編*
答えを聞きたいけど、聞きたくない。

そんな心境で樹里からの返事を待つ。



ところが。


「……ッヒク……ヒクッ……」


……はい?


返事は来ずに、突然泣き始めた。

ボロボロと涙が頬を伝う。

両手で顔を覆い……俯いた。

どうしたんだよ……。


「樹里……? どっか痛いか?」


傷口が痛むのかと思い、彼女の顔を覗き込んだ瞬間───……。


「私は、一度も幼なじみだって思ったことはなかったよ……」

「え゙……」


予想外の言葉を言われる。

いや……それはそれでツライんだけど。

俺って幼なじみ以下?

まさか……クラスメート扱い?

ということは……俺を男として見てるなんてあるわけ───……。


「ずっと……ずーっと……小さい頃から、渉のことが好きだった」


………へっ!?

聞こえた言葉に、目を見開いた。
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