地味子の秘密*番外編*
「ちょっ!陸ダメって!」

杏は、俺の腕を掴んでやめさせようとする。

でも、そんな抵抗はかわいいもんだ。

俺にとっては、「イヤじゃない」というOKのサインにも思える。

「ふ~ん?杏だってシたいんじゃねーの?」

ニヤッと口角を上げてそう告げると、

「あわわわ・・・・・・」

一瞬にして、熟れたリンゴのように顔が真っ赤に染まった。

純情だよなぁ~・・・・・・。

まぁ、そこも好きだけど。

杏が顔を赤くしているうちに、素早くカーデとシャツのボタンを外す。

白くて滑らかな肌が顔を出した。

うっ・・・・・・杏ちゃん、これはヤベーよ・・・・・・。

シャツ類を肩口まで広げた瞬間、見えたモノに固まる。

なぜなら。

「紫かよ・・・・・・」

コイツの身に着けている下着がかなりエロかったから。

紫の黒レース付き・・・・・・。

たま~にこういうの着てるんだよな。

似合ってんだけど……。

下着だけでも挑発されそうなのに、このデカイ胸がさらに誘惑の種になる。


「きゃあああ!み、見ないでよ!変態!」

恥ずかしいのか、必死にシャツの合わせを握る杏。

「あ?」

おい。今、聞き捨てならねー言葉が聞こえたような気がしたんだけど?

――グイッ・・・・・・

「なんつった?」

「へっ・・・・・・?」

杏の顎を掴み、俺の方に向けさせた。

「今、俺に向かってなんて言った?」

「へ、変態って・・・・・・」

キョトンとした顔で、素直に答える。

「へぇ~?お前も言うようになったじゃねーか」

ニヤッと意味深に微笑んで見せた。

「な、なに?本当のことだもん!」

「あ?人のこと言えんの?この前、さんざん人の上で、鳴いていたヤツが」

「ギャッ!」

杏の表情が引きつり始める。

「一晩に、何回俺の名前呼んでたっけ?“離れないで、もっかい”って言ったのは、どこ
の誰だったかな?」

「ギャアアアア!」

この前の出来事を口に出すと、案の定、絶叫した。

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