おちます、あなたに
「“悠ちゃん、大丈夫? 遼が心配するなって言うけど心配しちゃう。俺が傘に入れてもらったからだよね。ゆっくり休んで元気な悠ちゃんを見せてください”……先輩、わわ、どうしよう」
思った通り先輩は自分のせいだと思っていた。
あぁでもだからと言って、実は女の子の日なんです、とは言えない。顔から火が出てしまう。
ここはどう返信を……?
先輩、授業中じゃないの?
もしかして、授業中にもかかわらず?
やかんが沸騰する時みたいに、私の先輩への想いが一気に溢れそうになる。
いやもう、溢れてる。
「な、なんて返そう……。先輩、お兄ちゃんに聞いてくれたんだ」
目を閉じると、蜂蜜色で視界が埋まる。
――そう思った時には、私は眠っていた。