おちます、あなたに
はなやぐ
「恭子ってさ、今の彼氏とどれくらい付き合ってる?」
「去年の……夏休みだから、えっと……一年弱」
昨日の出来事を話すべきか悩んで、昼休みまで先伸ばしにしてしまった私は、卵焼きを箸でつつき切り出した。
内容は先輩に全く関係ない。
「すごいね」
「すごいの?」
「うん。告白はどちらからですか?」
「なに、改まって」
放課後、先輩と会う私としてはこの際当たってみようと意気込んでいる。
あんな、おでこにされて今まで通りに先輩後輩出来ないし。
「あ、分かった。悠、やっと告るの?」
掴んだウインナーがぽろっと落ちた。お弁当箱の中だったからセーフ。