おちます、あなたに
「やややっとってなに!?」
「誰かまでは分からなかったけど、恋してるのは気づいてたよ」
ふりかけの海苔が付いている前歯を見せ、得意気に笑われた。
後で教えてあげよう。
一口ご飯を噛み締めて、私は恭子に居直る。
「大好きな先輩に、今日告白しようと思ってる」
「……がんばれ。私、応援してる」
「聞かないの?」
「聞いてほしいの? 心配しないで、明日根掘り葉掘り聞いてあげるから」
恭子って、こんなにかっこよかったっけ。それとも、恋をしたから?
残りのご飯を掻き込み、私は鞄の中の鏡を探すことに専念した。