おちます、あなたに


 先輩の連れ……は、私のお兄ちゃん。

「なんだ悠、また将樹と話してたのか」

 小さなため息。
お兄ちゃんは私の想いに気づいている。

──将樹先輩が大好き。
フられるのが怖くて。
だから、告白出来なくて。

話したり顔を見たりしたくて。
でも、この想いがバレるのかもしれないから。


私はいつも、先輩といるときに。

断崖絶壁を、背に立っている。

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