お兄ちゃんの話
そのとき私の中のなにかが切れてなにかが呟きました。
―――あぁ、もうだめだ。と――
なにがダメなのかはわかりません。
ただわかるのは今、ここにある事実です。
私は溢れる涙を止められません。
ただ、ただ溢れる涙を無視してさっさとガラスを拾い集めます。
「痛ッッ!」
ふとガラすで指を切りました。
慌てて拾い集めようとしたからでしょうか。
指からはこんな血って指からでるんですかというくらい血がだらだら出てる。
指をなめながら違う方の手でガラスを集めます。
立ち尽くしてるお兄ちゃんがふと言いました。
「柚葉・・・ごめんな。」
消えそうな声でした。
まだ何も事情を知らないお兄ちゃんがあやまる必要はありません。
事情を知ってもお兄ちゃんがあやまる必要なんてないのです。
「どう・・・して?」