お兄ちゃんの話
「お前は誰を怨む?」
・・・は?
怨む?う、ら、む?うらむ?
「私は――」
医者がじっとこっちを見てる
「この件に関しては、誰も怨みません。怨むとしたら神様です。」
「神様なぁ・・・?・・・そんなん信じてんの?」
「いたとしたら怨むし いないとしたら誰も怨みません。」
そうか・・・と言って寒そうな町の景色をまた見る医者。
あなたを怨みます。とでも言うと思ったんでしょうか。
「・・お前さ、まだ兄ちゃんに病気の話いってねぇだろ?」
「・・・・そうですけど。」
「・・・言ったってどうせすぐ忘れちまうけどな・・」
「・・・ッ。」
さっき泣き止んだばかりなのにまた涙がでそうになりました。