お兄ちゃんの話
私は涙をふいて足に力を入れて
静かにドアを開けました。
その日は少し寒い、秋の日でした。
秋の風が私の横を通り過ぎた後
お兄ちゃんがゆっくり私の方をむきました。
お兄ちゃんは驚いたような顔をしました。
なぜお兄ちゃんが驚いたような顔をしたのかはわかりませんでした。
でもそれはすぐわかりました。
「ゆう、どうした!?なんで泣いてる!?誰にいじめられた!?」
お兄ちゃんはすごく心配そうな顔をしてました。
いつかと同じように。