切恋

翼side

「ねぇ、翼?聞いてるのぉ?」少し拗ねたような彼女の声。
 俺はそれを気にする事なく、ヒラヒラと舞う桜を見つめている。
すると・・・。「きゃぁ!翼くんが桜、見てるよぉ♪」 「マヂっ!?写メとんなきゃ!」 「カッコィィ・・・」黄色い女子の声。   うるせぇ。
 でも、これも昔からの事。  俺は、学年1、モテるらしい。
何処がいいんだか・・・。カシャッとなるフラッシュ音に若干眉間にシワを寄せながら俺はその女子を見る。   「目、合っちゃったぁ♪♪」女子は勘違いをしてる。
 っ・・・。めんどい。     俺が由香と付き合ってもう1年半は経つだろう。

 
    由香に告白をされたのは丁度、桜が舞っていたこの日の様だ。
  由香とは小せぇ頃からの馴染み。  それと、中学から馴染みのある、佐藤愛望。
愛望は中学の頃から可愛くて、天然で、ひた向きで、明るくて、笑顔は天使のような位だった。 愛望の人気は今も昔もまったく変わらず、男女共に人気だ。
 小さくて可愛いから守ってやりたいタイプ、って由香が言ってた。
その張本人は自分の人気に気づいてないけどな。

 由香は俺が小さい頃好きだった奴。     今は・・・・。
  “幼い日の約束”を守って俺は・・・。
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