切恋

愛望side

「ねぇ、翼。怖かった・・・」翼の腕に自分の腕を絡ませながら、由香ちゃんは泣きながら言った。   「よしよし。えらかったな」優しく微笑みながら、翼は由香ちゃんをお姫様抱っこする。


   周りからは、ヒソヒソと声がする。
      「ぅわぁ、あの2人、美男美女だね」そんな声。


   もう、既にあたしの心は悲鳴を上げてた。

 でも、仲のいいお似合いの2人を見てると・・・。

  あたしの限界が来てしまった。


   「ッ、ばか!」意味も無く2人に叫んで、「もぉ、帰る」そう言って、あたしは全力で走った。


 わがままなあたしが嫌い。なんにも分からない翼が嫌い。


    完璧すぎる、由香ちゃんが嫌い。

  素直になれない、自分が・・・。大嫌い。
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