切恋

翼side

途中から、愛望が帰った。   『馬鹿』。

    そう、言い残して。
愛望は、目に涙を溜めて、俺に、由香に言ったんだ。
  それから、梨菜も帰って、俺と由香2人だけになった。
「何する?」呑気な由香の声が、今はウザたくて・・・。
   「俺、帰るわ。送る」訳も無く口から出た言葉。
由香は酷く驚いた顔をしたあと、何かを呟いた。

   「やっぱり、あの子が好きなんだね」と。

  そして、今。  俺は愛望を呼んで、俺の全てを話す。
アイツと居る間に、どんどん好きになってたんだ。

  アイツの・・・。愛望の全部を。

 だから、俺は、俺と由香の全てを話そうと思う。





< 48 / 70 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop