切恋
   「っ、ぅん。愛望ちゃんは何時だってそんな子だったよね・・・。
優しいし、明るいし・・・。だからっ!だから、皆に好かれてたんだ。

   そんな愛望ちゃんが、私羨ましかったなぁ」由香ちゃんはあたしの目を真っ直ぐ見つめて、泣きながら言った。

   「ぇ?あたしなんか、全然・・・」急に話しが変わっちゃったから、あたしは動揺してしまう。


    そして、更に動揺してしまう。
由香ちゃんの言葉に・・・。


   「翼もね?愛望ちゃんの事、1人の女の子として、好きだと思うの」


   由香ちゃんの目は本気。でも・・・。そんな事、ある訳ないの。
此処で自惚れてたら、あたし・・・。


   「そんなこと、なぃってぇ♪あたしなんか、本当に全然だから♪」
笑顔を交えつつ由香ちゃんに言うと、「そんな所も可愛ぃ☆」なぁんて・・・。

     由香ちゃん、本当は辛いんだろうな・・・。




   でも、だからこそ、次の恋で幸せになってほしいよ・・・。


  あたしと由香ちゃんの思いが通じ合った日(?)となったこの日。


  2人が別れたと知ったのは、由香ちゃんとわかれた後の事。
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