切恋

翼side

《ゴメン・・・。ホント、ごめんな。》受話器越しに、嗚咽を交えながらも、言葉を繋ごうとする由香の姿が見える。

 そんな由香に俺はこんな言葉しか、かけてやれない。


   《翼があやまらなくてもいいんだよ?

   翼は、愛望ちゃんが好きなんでしょ?》由香の質問は真実で、俺は黙り込む。

 《ほぉらッ!やっぱり!   でもね、愛望ちゃんは天然だから早いトコ、奪っておかなきゃ!》騒いでる・・・。と言うより、無理してる由香。


  《あぁ。やっぱりお前は俺の事、何でもわかってるんだな》こう言う時、お前に・・・。由香にどんな言葉をかけてやればいいかもわからないくらい、俺は馬鹿なんだ。       


  《何年いっしょに居たと思ってるの? 翼、愛望ちゃんを泣かせたら、私本気で怒るからね?絶対、許さないから。   じゃぁ、今まで私を愛してくれてありがとう。

   私はとっても幸せでした》プツッ――――。

  その言葉を言った瞬間、電話は・・・。切れた。


    ―――――長い長い俺の初恋はこの瞬間終わった――――
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