切恋
そして、今。
「キャァッ///翼くん、今日もヵッコィィよぉ♪」久し振り・・・。
の女子の黄色い歓声。
夏休みが明けた今、またこの煩い奴らに悩まされる。
そんな中、由香と俺の別れ話も噂になっているらしい・・・。
「よおっ!お前、由香ちゃんと別れたんだって?」目に入った、明るい髪色。
俺のダチの椋。
コイツもか・・・。そんな事はどうでもいい。
「何で、お前が知ってんだよ?」睨みながら椋に問う。
「おぉ、怖い怖い。噂だよ。う・わ・さ」ニンマリ笑いながら、椋が俺の方を見つつ、答える。
「どんな噂だよ・・・」半ば呆れながら、俺は視線を愛望に移す。
「愛望ちゃん、狙ってんの?また、ハードル上げやがって・・・。
由香ちゃんを大きく上回る程の人気だぜ?」気づけば椋も視線を愛望に移していた。
由香を大きく上回る、か。
そんなもんじゃないだろ。アイツの人気は。
たぶん、由香なんて、目じゃないほど人気。
「お前さ、彼女と上手くいってんのかよ?」これ以上、変な噂流されちゃ困るから、俺は話題を逸らす。
「おい!翼、話逸らすなよっ!」椋の声なんて聞かず、俺はまたアイツを見つめてた。