ピーターパン症候群
「桜田君!あ、あの・・・これ!」
「・・・ああ」
「よ、読んだら返事してね!」
休み時間に同じクラスの女子(吉田裕子・・・だったか)が、頬を紅く染めながら、それを僕に渡した。
所謂、ラブレターという物なのだけれど。
僕はこういう物を貰っても、嬉しくない。
断る時に泣かれるのが鬱陶しい。
ラブレターをピラピラ動かしながら、遠くを見つめると、外の向こうにキラリと緑色に小さく光る何かが見えた。
疑問に思ったが、それは直ぐに消えた。
もしかしたら、目の錯覚だったのかもしれないと、僕は興奮する気持ちを抑えていた。