彼女が俺を好きな理由 ~未来をふたりで~
*彼女と彼のすれ違い
翔ちゃんがドアを乱暴に閉めて出て行った。
これって、私達別れたって事?
自分で言い出した事のくせに、心臓が鷲掴みにでもされたように痛んで、私はその場にうずくまった。
これで良かったんだよね。
私が我慢すれば、翔ちゃんはもう悩まないで済む。
私みたいな面倒くさい幼なじみに、振り回されないでいられる。
前みたいなただの幼なじみの関係に戻れるかはわかんないけど、翔ちゃんが行く道を応援するよ。
翔ちゃんは優しいから、きっと私を置いて行けない。だから。
私から離れるしかないんだ。
自分にそう言い聞かせながら私はその場から動けなかった。
…翔ちゃん、私、泣かなかったよ…。