彼女が俺を好きな理由 ~未来をふたりで~
翔ちゃんの家を後にして、2階の彼の部屋を見上げた。
カーテンから漏れる明かりに、翔ちゃんが勉強してる姿を思い浮かべる。
小学生の時はよく、翔ちゃんは私の宿題を教えてくれた事を思い出して、切なくなった。
小さい頃の翔ちゃんは今とは比べ物にならないくらい優しかった。
でも、こうして翔ちゃんと付き合えるようになってわかった。
翔ちゃんはやっぱり優しくて。全然変わってなんかなかった。
「…頑張って」
そう呟いて、家に入ろうとして気付いた。
「あれ?」
翔ちゃんの家に真っ直ぐ行ったから、鞄を置いてきてしまったみたい。