彼女が俺を好きな理由 ~未来をふたりで~
無情に閉まる部屋のドア。
…放り出された私。
「…だ、大失敗…」
そう呟いた私は、翔ちゃんの部屋の前でうずくまる。
なんでもっとうまくやれないの?
ただ一言、声が聞きたいだけ。
ただ一目、顔が見たいだけなのに。
「…あー。息、苦しい…」
息が出来ないっていうか、…胸が苦しいっていうか、訳わかんないんだ。
最近の私、翔ちゃんに全然構ってもらえません。
せっかく一緒の高校に入ったのに、私が高1でも翔ちゃんは高3。
2歳の年の差は、私達を無情に引き裂くの。
「…邪魔。加奈」
私を邪険に扱う人間が、この家にはもうひとり。
「…ケンちゃん。私きっと、もうすぐ酸欠で倒れるよ…」