彼女が俺を好きな理由 ~未来をふたりで~
「…兄貴の進学先?そんなの本人に聞けばいいだろ」
聞けないからケンちゃんに聞いてるんじゃない。
「恐ろしくて聞けないんだもの。私、翔ちゃんが東京とか行っちゃったら…想像するだけで号泣できるんだよ~」
「そんなの自慢気に言うなよ…」
ケンちゃんが哀れみの目で私を見ているようだったけど、翔ちゃんに聞けない以上、ケンちゃんから聞き出すしかない。
「兄貴は東京なんて行かないと思う。多分、H大だろ。兄貴、頭いいからな」
「…本当に?じゃあ、こっちに残るの…?」
「だから、本人に確かめてみれば?」