cherry
「俺もさ、拓也に言いたいことあったんだ。」

「なに?」

だいたい予想は付いていた。

「拓也も、咲良のこと好きなんだろ?今も、そのこと言うために、俺を呼び出したんじゃないのか?」

やっぱりか・・・

瞬は、勘が鋭いな。

「そうだ。咲良のこと好きだよ。」

「やっぱり・・・」

「でも、俺、親友の瞬にだって、絶対手加減しないから。だから、正々堂々と勝負しようぜ。今日は、宣戦布告するために、瞬のこと呼び出したんだ。」

しばらく、沈黙が流れた。

瞬は、何か考えているようだ。

「そうか・・・分かった。じゃあ、俺も手加減しないから。」

「じゃあ、よろしく」

そう言って、俺は、右手を差し出した。
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