cherry
いくら自分に問いただしても、答えは見つからなかった。

そして、しばらくすると、亜理紗だけが帰ってきた。

「あ、亜理紗っ!」

亜理紗の姿が見えると、あたしは机から立ち上がって叫んだ。

「咲良・・・今は、何も聞かないで。」

そう言って、亜理紗はまたどこかに行ってしまった。

「えっ・・・」

1人取り残されたあたし。

なんだか急に、寂しいような、悔しいような、複雑な感情が芽生えた。

教室に居ても、亜理紗と澪の態度がいつもと全然違う。

耐えられなくなったあたしは、学校を抜け出した。

走って、走って―

息が切れるまで走り続けていたら、見覚えのある場所にたどり着いた。




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