cherry
「そういえばさ、咲良は好きな人とかいないの?」

ふいに、澪から聞かれた。

「えっと、さっき亜理紗にも話したんだけどね・・・」

「えっ!?何々?」

「あたし・・・拓也が好きなんだ・・・」

すると、澪はあたしから目線を逸らした。

あれっ!?

澪は、何も反応してくれない。

「えっ・・・?澪、どうかした?」

「えっ!あっ、あ・・・なんでもないよ!そっか、咲良は拓也が好きなんだ!両思いになれるといいね!」

澪は、急に早口になって言った。

「うん!」

拓也が好きだと気づいて、浮かれていたあたしは、この時、澪の変化に気づかなかった。

この時・・・気づいていれば良かったのにね―



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