下僕主とツンデレ超えた召喚物


『俺もそんな名で呼ばれたいよ』

『名に偽りなしだな、君は』

『なかなかだ、よく“分かっている”じゃないか』


思い出された言葉。
奴が俺を“認めた”と思ったのは自惚れだったのか。


そんな言葉があるから、まだ奴は俺と一緒にいると思ったのに。


「あー、ったく」


枕にうつぶせになる。


変な感情が取り巻き、気持ちわりい。


ムカつく八割、悲しさ二割か。……あれ、なんで悲しいだなんて思ってんだ。


もとからラグナは間違えた召還物だ、すぐに消える。離れるのは分かりきっているのに、今更ながら悲しみなんか持って。


「……」



やっぱ、ムカつき十割だ。


うつぶせ状態から横向になり、二度寝を決め込む。


今日――つうか、フリーマーケット開催日までは授業は休みだ。準備だの、先生たちに至ってはレアアイテムを収集するのに躍起になっている期間だしな。


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