下僕主とツンデレ超えた召喚物


ぼうとした瞳のまま、ラグナがネックレスを首から外していた。

しゃらりと音がしたネックレスをジャケットのポッケに入れて、リングも同じようにポケットにしまっていた。


「……」


酒臭いラグナ。
しかもか、甘ったるい匂い――香水の匂いまで混ざっている。


匂いとあの格好から俺はある連想を得た。


「なに、おまっ。ホストなのっ」


ホスト。
ホステスの男バージョン。


女に接待をして金をばんばん貰う職業の一つだが。


「ああ、働いてきた」


……、夜空の王がただの夜の王になりやがった。


ぽかんと俺がしている内にもラグナは気だるげに腕を動かす。


持っていたデカい麻袋を床に置いて、その上にジャケットを脱ぎ捨てた。


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