下僕主とツンデレ超えた召喚物


「シャワーはないのか、この部屋は」


「あ?シャワーとかは共同だけど。夕方になんなきゃ使えねーよ」


しかめっ面をされた。

なら仕方ないと言わんばかりにシャツの前ボタンを全て外す奴。


脱ぐのかと思えば、脱ぎはしない。見え隠れする肉体にたくましい体じゃねえかと思ったのは秘密だが。


ラグナは次に左目の眼帯に手をかけて――外した。



左二本指だけで吊される赤い眼帯。


ぎょっ、とする反応が遅れたのはあまりにも唐突かつ自然な行為だったから。


今まで隠されていた左目。


何があんのかと思えば――何もない。


左目だけを閉じた状態での認知だが、綺麗な瞼だ。


眼帯をする理由は傷があるとか痣があるとかが定番だが、ラグナにはそれがない。


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