下僕主とツンデレ超えた召喚物
だから聞き取りづらかった。
――いや、聞き間違いであってほしかったのかもしれない。
「“神をも殺せる処刑場”(カルヴァリーラウンド)に共に行こう」
そのあと、ラグナは完全に寝てしまった。
聞き間違いを確かめることもできず――起こすこともためらわれた。
朝方の日差しを受けたひどく無防備で、無表情な寝顔が目に入る。
たったそれだけのこと。
しゃあねーな、と勝手ながら二段ベッドの上を拝借した朝の――
一時の出来事(序章)だった。