下僕主とツンデレ超えた召喚物


勝手にサインまでされるとは、つうか挑戦者は死ぬこと前提で話を進められるらしい。


一般庶民、善良な俺でさえカルヴァリーラウンドには近寄るなと一種の危険地帯として注意されてるのに。


「お前、そんなに俺を殺したいのかよっ」


「いや」


「ぐっ、なら、なんで」


「負けることがないと確信しているからだ。君がいなきゃならないのは、単に俺の“本気”を出すために。何度も言わせないでほしい。

ついでだから、もう一度似たようなセリフを吐くが」


ラグナが立ち止まり、俺を見る。


じっと右目だけで見つめられる。それだけでも、固まってしまうような、見入ってしまう藍の目であるが。


「安心しろ、死なせはしない。俺がそばにいる限り、どんな奴も君に手出しなどできないのだから」


「……」


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