下僕主とツンデレ超えた召喚物
ラグナが立ち上がり、机の上の剣を取った。
俺との距離をつめ、藍色の目が俺を見下ろす。
「俺に報復をするか?疑うな、と。良ければ、君の手に俺を操れる“傀儡”を作ってやるが」
「お前……」
『自業自得が牙を向けてやってくる』、そんないつかの言葉を思い出した。
魔術を行う者ならば必ず頭にいれておかなければならないこと。
仮にも、俺がラグナ並みに強い魔術師ならば呪いをかけようとしたこいつに仕返しするだろう。
きっと、ラグナは全部を受け入れる。
怒り、憎しみ、痛み、全部は自業自得だとラグナは全てを呑み下すのだろう。
腹ん中がぐちゃぐちゃになっても、身のうちが腐っていこうとも。
魔術を使うとは――誰かを傷つける力は必ず何かしらの形で返ってくるとラグナは知っていて。
「俺がんなことしねえって分かってて言ってんだろ、お前」
全てお見通しの奴は俺の心まで見つめていた。