下僕主とツンデレ超えた召喚物
見たラグナは、『それでいい』と言わんばかりに視線を外して、部屋を出る。
剣をかけるようなものは腰についておらず、俺は鞘が抜け落ちないように両手での持ち運びを余儀なくされた。
つか、なんでこんなに軽くなったんだ。
思うも、思い当たる節なし。
考えても分からないことには蓋する主義たる俺で――
「……っ」
そんな時だった。
ラグナが驚いた眼差しで俺を見たのは。
予兆なしのことに俺だってびびる。初めてみる顔だ、こんなラグナは。
冷静沈着な奴が、尻尾踏まれた猫みたいに目を見開いて。
「誰に……会った」
「へ?ああ、同級生。クリアつう女生徒で話してたんだけど」
言いながら、ラグナの質問に疑問を持つ。