下僕主とツンデレ超えた召喚物
アナウンス。実況中継らしい。
マイクを使っているからより響くというのに、独特の声のせいで鼓膜が破れそうだ。
『さてさーて、今回の命知らずはー、あー、名前なんだっけ……。まあいいや。ガキとその召還物ってことでして。
おおっ、なかなかいい召還物じゃないですか。私、ビンビンしちゃうワケ』
因みに、声色は男なんだが。つか周りの観客も女性客なんか見当たらない。
クリアもいるのかいないのかも分からないし。
キョロキョロしながら、俺たちはある程度の距離まで進んだ。
『いいね、いいですねー。あれ男?あーでもいいや。掘りたいと思った方はすぐに退場してくださいー。あのケツは私のもなワケ』
「……、掘りたい?」
「聞くな。これ以上、君の口悪さに磨きがかかっては面倒だからな」
アナウンスの不可思議な単語を聞けば、ラグナがため息混じりに答えた。
そう言われても耳は聞いちまうので、アナウンスだけでなく観客たちの「じゃあ口は貰う」などよく分からないことがまた俺の頭に入った。