下僕主とツンデレ超えた召喚物
――本物の獣が、出てきた。
『ヴー、ヴー』
揃ったうめき声。
柵の向こうから出てきたのは、三匹の獣。
大型どころではない、一噛みで人間を丸呑みにしてしまう顎を持ったそれ相応な体。
四本足――合わせれば、十二の足がまったく揃った歩調で荒れ地を踏みしめた。
「うそ、だろ……」
三体の獣。
右が白、左が黒。真ん中が白と黒をまじあわせた毛並みをしており。
狼と獅子を織り交ぜたような風貌を三匹ともしていた。
『ヴー、ガア』
三匹が俺たちを見るなりに揃って口を開ける。
むき出しになった牙は、さも俺たちを食したいと言わんばかりにガツガツ動いて。
三匹の顎が動くたびに、首輪がじゃりじゃり動いた。