下僕主とツンデレ超えた召喚物


三匹。

一度に三匹の召還物を呼び出す者なんて初めて見た。


テレサ先生が二匹出したのは見たことあるが、それでもあんな巨大ではないし、ましてや三匹だなんて。


『ヴー』


がうがう言っていた獣が三匹同時に頭を下げる。


男が腕を動かしただけで、獣はただの犬に成れ下がったようだった。


いいペット。
だが、それはあの男だけの解釈であり、俺たちにとっては。



「貴様……人間か?」



低い声がこちらまで響いた。


どちらに問いたのか、言うまでもなくとラグナが答える。


「人間だろうな、恐らく」


「そうか。……経験上、人型の召還物は魔術師が多いと把握している」


「誤りではないな、それは。召還物は常に召還者よりも対等か強くなければならない、主を守るために。

ただの人間を呼び出す召還者はいないだろう。俺も、“ただの人間”という枠組みには入らない」


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