下僕主とツンデレ超えた召喚物


両腕でかぶりを振るダーウィン。


瞬間――だった。


三本の鎖が消えたのは。



解き放たれた戒め。

自由に動ける獣が地を蹴り、跳ねる。


ラグナへ――否、餌へ。


獅子はウサギ狩りをするのも手を抜かないというが、正にその通りだった。


餌(ウサギ)が逃げぬようにと、ラグナを取り囲む三匹。

三角のフォーメーションから見ると、かなりの狩り場を経験しているのだろう。


グルルと鳴いても、いきなりは襲ってこない。


ウサギの様子見を欠かさず、隙あらばいつでも飛びかかってきそうだった。


「……」


餌対象たるラグナ。

無言だが、指が動く。何か魔術を使うのかと思ったが――唐突にラグナが動きを止めた。


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