下僕主とツンデレ超えた召喚物




【繋ぐ、十八番、首切り】



空間(時間)が、止まった気がした。



黒い血液が噴き出す。
しゅーっ、と。ぴゅーっ、と。


顎が外れたように、“膝まで下がった獣首”は確かに。



ずるり――



全身の温度が下がるほどの不気味さと異音。


大きな体が地に落ちて、血しぶきをあげ、血だまりに波をうたせた。


――ラグナの手には、一つの凶器がある。



処刑道具。
一断ちで首を切れる道具は、断頭台しかない。


四角の大ぶり刃には黒い獣の血と肉がこびりついて。


「…………」


いつ切ったかも分からず、ただ切った結果だけを見せつけた男は其処に立ち尽くしていた。


誰もが引き下がる光景。けれども――


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