下僕主とツンデレ超えた召喚物
「お前の魔術って……なんなんだ」
言いながら、自分でもおかしい質問だと思う。
ラグナだって解答するのに間があったし。
「……、“どんな”で聞かれるならば答えてやるが。高く飛んだのは足元に風を密集させただけだ。
残りは俺の“貯蔵庫”から持ってきた武器を使ったのみ」
「武器……?槍とかあんなのって、精製じゃないのか」
「違う。よく間違われるが、無から有を作る精製は詠唱から具現まで時間がかかる。あんな大物を瞬時に出すことなど俺とてしばしの時間が必要だ。
魔術師の欠点だ。攻撃するまで時間がかかる。そこをつく剣士や獣使いにあっけなくやられた魔術師は数知れずだろうな。
戦闘においての“制止”は命取りだ。だからこそ、俺は極力時間がかからないような戦闘スタイルをしている」