下僕主とツンデレ超えた召喚物
小さい子がデカいクワガタを親にでも見せるみたいに、堂々した振る舞いでクリアは。
「女神様との絆……!」
指輪が通ったネックレスをラグナに掲げた。
しゃらん、と音立てたそれ。
クリアにとっては決定的の“証”であり、ラグナにとっても。
「――」
見開かれた眼。
明らかに見覚えある顔をして、ラグナが制止する。
「これ、女神様の、だから……っ」
物売りでもするみたく強引にクリアが指輪を前に出せば、ラグナが一歩引く。
歯をぎりと噛み締めたのは誰だったか。
「っ……人違いだ、俺は君を知らない。俺には関係ないことだ」
目を横に――クリアと目を合わせない奴から出た言葉。
掲げられていたネックレスが落ちる。
後ろ姿だけでも、クリアが放心しているのがよく分かった。