下僕主とツンデレ超えた召喚物
「……」
落ちたままの指輪が目に入り、思わず拾う。
綺麗な指輪なのに、なんだか悲しい気分になった。
ラグナも俺の拾った指輪を見ているわけで――
「お前、何か隠しているな」
俺はあの表情の変化をつついた。
「……何をだ」
「時は忘却の天才だ、ってお前は言ったよな。なら、クリアに会ったこともないも、この世界に来たこともないも、もしかしたら“忘れてるだけ”じゃねえのか」
「会っていない、来ていない、断言しよう」
「忘却する頭持っている人間(お前)が断言を使うな」
「やけに突っかかるな」
「ったりまえだ!お前は何かを知ってんのに、クリアに教えなかった!
知ってんだろ、お前っ。クリアの言う女神様を!」