下僕主とツンデレ超えた召喚物
適度な距離をあけた彼女は止まり、微笑みかける。
「初めまして。私(わたくし)、ブロッサム・ジンガムと申しますの」
普通に挨拶をされた。
普通なのに違和感がありまくる。
だって、ウェディングドレスだぞ。体のパーツがほとんどないんだぞ。戦う相手なんだぞ。おかしいだろ、なんでこんなに普通の人らしく挨拶できるのか。
欠損に関して偏見を持っているわけじゃないが、彼女の顔が幸せすぎるのがいけない。
そこに違和感を持つんだ。
まるで欠損していることに幸せを感じているような。戦う前なのに、何一つ動じなくそんな顔をしているのも問題だ。
天国にでも行ってきたような顔が笑っている。
寒気が知らずと出てきたが、どこからともなく口笛みたいな音が聞こえてきた。