下僕主とツンデレ超えた召喚物
やはり自分はドラゴンが好きなんだと知る。
分かってしまった。あれが、何なのかと。
「“生きる大聖堂”(カテドラル・ドラゴン)……」
存在自体が聖域と崇められた生き物であり、神様とも讃えられた存在でもある。
ドラゴン種の中でも上位。決して人の下(ペット)に成り下がる生き物ではない気高い存在なのに、ここで出現したとは紛れもなくあのドラゴンは――
『オォォン!』
背伸びするように真っ直ぐ首を天に向けるカルデラ。
一瞬でのことだった。
「――」
悲鳴をかき消す閃光が観客席に落ちたのは。
雷、だと思う。
光速は目では確認しづらいが、しばしばと眼がしているあたりじかに閃光を見てしまったのだろう。
観客席――ああ、確かあの男がいた辺りだと思うけど、そこにあったのはでかい炭が一つ。
他は何事もなかったかのように無事だった。