下僕主とツンデレ超えた召喚物


更には。


【花は咲き】


響いたのはラグナの魔声。

奴の詠唱は寒風らしく、聞く度に固まってしまう。


【実は熟し、落ち、また地に種をまく】


「……っ、ラー!」


ブロッサムとて同じか、いや、ラグナが賞賛した彼女だからこそ、これから奴がやろうとしたことが分かった相手は。


「召還者を狙いなさい!」


もっとも、手っ取り早く戦いを終わらせる命令を下した。


召還者。あ、俺だ。
そう間抜けにも思ったのは、カルデラが低空飛行でこちらに向かって来たとき。


一秒にも満たない電光石火。


【機は熟し、実も熟す】


ラグナは詠唱して、間に合わない。


カルデラに追いつけないんだ、俺を食おうとするカルデラに。


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