下僕主とツンデレ超えた召喚物


自分が守られているのは分かった。


でも、何に?


思った瞬間、両腕にしっかりと握っていた剣が目に入る。


微かだが、光り輝いていた。


鞘から剣を抜けば、わっと驚く始末。


磨けば光る、どころじゃない輝き。


発光だ。薄水色に剣が鼓動するように輝いていた。


刀身には文字がびっしりと書かれていて黒くも見えるが、こんな便利道具が挑戦者の控え室に置かれているわけもなく、あるとすれば。


【種まきの時期だ。次の作物を実らすために種をまこう。
よく育つために、生物を資源とし、苗床にこれを選べ。
苗木は我がしてやろう。手伝いに惜しみなく、成長も遺憾なく発揮することを許そう】


長い詠唱だった。
それだけ大きな魔術か。


文章からして、四大元素とは違う。まるで一つの物語みたく、語り部は語り。


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