下僕主とツンデレ超えた召喚物
「だろうな。カルデラは本来、他世界では生存してはいけないし、しもしない。力を借りる程度として、カルデラの炎の息吹や雷の遠吠えなどを術として使う奴は見たことがあるが。
あなたぐらいなものだ。人間に扱えないモノをそばに置こうとし、己の体を生贄(代価)とするのは。
もったいのない、カルデラ以外にも適した強き召還物がいただろうに」
饒舌だったブロッサムの口が止まる。ふるふると指が震え――どうやら肘掛けを強く握りしめているようだ。
足があれば今にもラグナに飛びつきそうな顔をしたが。
「言ってなさい、死に逝くあなたの言葉なんてもうないも同然ですわ。ラーしか私は要らないの、ラーがいればいいの。ラーだけが私を守ってくれた……!
愛してくれたのはラーだけですのっ。なら、私も愛して何がいけないのかしら。所詮、あなたには分からないでしょうね。ええ、分からなくていいですわ。
分からないまま、食べられなさい!」