下僕主とツンデレ超えた召喚物


笑い怒り、カルデラに目配せをしたブロッサム。


ラグナを襲えと目だけで命令したんだろう。


召還物との絆が深ければ、言葉なくとも通じ合えるらしいが、カルデラはブロッサムの命令を受け取り。


【……】


「ラ、ア……?」


何もしなかった。

呆けたのはブロッサムと俺。ラグナは無表情でカルデラを見つめている。


“生きる大聖堂”が動かない。迫力と神聖さは残ったままだが、畏怖がないドラゴン。


何をと思っていれば、初めてドラゴンが動きを見せた。


些細なものだ。


苦しそうに首をもたげ、げほっと咳を一度して。


「ラー!」


「マジかよ……!」


呆けた二人に、ドラゴンが動かない理由を知らされた。


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