下僕主とツンデレ超えた召喚物


「燃やしなさい、ラー。体内の異物はあなたの体で精製される浄化の炎で燃やすのよ。肺から口の気道はそれで何とかなりますわ」


冷静たる判断だった。

ブロッサム、ラグナが賞賛していたがこんな場面でも的確な指示ができて、よく召還物のことを理解している。


命令を受けたカルデラが力いっぱいに首をまっすぐ上に向ける。


二秒ほどの時間で天空に炎が出された。

カルデラの口から噴射される。


夜なのに明るすぎて見ていられない真っ赤な炎。


マグマよりも熱く、水よりも清く見えた炎だったが――唐突に噴射が中止された。


「終わったな」


これが正しい言葉となったのは、カルデラが倒れたあとに。


もう葉っぱなど出ないが、カルデラの口からは煙があがっていた。


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