下僕主とツンデレ超えた召喚物
目は開かれたままなのに、眼球に力(光)がこもっていない。
確実な戦闘不能。
「うそ、なん、で……」
自分の判断の間違いが理解できない彼女は呆然としていた。
そこにラグナが近づく。
「俺も、あなたを過大評価していたようだ」
近づいたラグナを見ることもしない彼女の目はカルデラだけにしか向けられない。
「体内にあるものを燃やせば確かに異物は消えるが、“根付いたもの”を燃やしてどうなるかは分かるだろう。
肺から口にかけては炎の通り道であるが故に、カルデラの気道はアンチ・コーティングはされているが、それ以外はただの肉にすぎない。
絡み合ったツタは道となり、道を辿ってカルデラの中を焼いていった。導火線のイメージか?ああ、少し違うか。
外側に関して“生きる大聖堂”は頑強なものだが、中は脆いものだ。大聖堂も中から火事になれば消すこともできないだろうしな」