下僕主とツンデレ超えた召喚物
ラグナが横になった車椅子を立て直して、腰をかがめた。
「判断ミスだ、あなたの。カルデラの強さばかり見て、驕りをもったあなたのな。
“見るだけの分”にはカルデラにはどこにも弱点がなかっただろうが、“見えない分”にも気を使うことだ」
腰をかがめたラグナがブロッサムの体を抱えて、車椅子に戻した。
定位置に戻ったブロッサムだが、その片目はカルデラと同じように力がない。がくんと人形みたく体に力そのものがなかった。
「死んではない。あれぐらいで死ぬような君の愛し人ではないだろう」
俺の耳に聞こえた優しい声。
ブロッサムも反応したようだが、しばらくはあのままでいそうだった。
負けると思わなかったのだろう。
だって、“生きる大聖堂”を超える、“生きた神”めいた男がいるとは誰しもが予想はしていないから。