下僕主とツンデレ超えた召喚物


* * *


「勘違いするな。別に君のためにではない。勝つための布石であり、定石だ。非力そうな召還者を狙う奴がいるとは目に見えて分かっていたからな」


「お、おお」


くだらなさそうに語る奴に聞いたのは、剣のことについてだった。


いやでもまさか。


「照れながら言うもんじゃね?」


「何故?」


「いや、やっぱいい。俺のこだわりが混じっていた」



なんだかんだで俺を守るためにこんな守護の剣を作ったんだ。

鞘から抜くなと言っていたのは抜き身の剣にラグナが書いた空文字があったから、気づかれないようにするため。


俺を守ったわけではなく、自分が勝つためにやったと言うが、どちらにせよ俺は救われた。


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